【Story研修・特別版

「リーダーシップ研修」の話題から(2016 年9月1日投稿) 

AKB48 初代総監督のリーダー論 高橋みなみさんのコミュニケーション術(1)


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AKB48 初代総監督のリーダー論 高橋みなみさんのコミュニケーション術(1)
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AKB48 を卒業した⾼橋みなみさん(略称・たかみな)の『リーダー論』が、たしか半年前位に新聞の書籍ランキングに再登場しました。単⾏本が⽂庫本に⽣まれ変わるときにはよく⾒られる現象ですが、この本は最初から新書でした。きっと内容が素晴らしいからだろうと思い図書館に申し込んだところ、半年後にやっと手元に届きました。 

リーダーの5つの仕事

AKBのチーム A の「キャプテン」、そして48グループの「総監督」を務めた高橋みなみさんは、その役割をリーダーとしての活動と位置づけました。では「リーダーの仕事ってなんだろ︖」と、⾃分のこれまでを振り返った結果、5つの項目(段階)に分けることができるのではないか、と思うようになったそうです。 

メンバーのことを理解する

AKB48はたくさんメンバーがいて、特別な個性があり、得意分野や将来の夢、悩みなどもそれぞれで、当初はどうやってまとめるかを悩みました。そして⾏き着いた結論は、確りメンバーと向き合い、⼀⼈ひとりを理解すること。信頼関係を築かないと、どんな⾔葉も相⼿の⼼に響かないとの悟りからです。 

ほぐして、つなぐ

⼥の⼦は、⼩さな集団をつくりがちな⽣き物だというのが⾼橋さんの認識。その⼩さな集団のことを、彼⼥は“ダマ”と呼び、この“ダマ”がチームの⼀体感を邪魔すると看破しました。メンバーの⼒を一つの方向にまとめるには、チーム内の“ダマ”を取り、ほぐして大きな丸をつくる必要があるといいます。 

導く

高橋さんにとって、みんなの気持ちを導く手段のひとつが、スピーチでした。AKB では総選挙のスピーチやコンサートの締めのコメントなど、喋ってまとめる機会がたくさんあります。太⽂字になる⾔葉をイメージする、“声のトーン”で聞くテンションを作り出すなどは、彼⼥⾃⾝が纏めた「スピーチ7か条」に由来します。 

手本を示す

リーダーであれば誰かを叱らなければならない時が必ずあります。その時のために、日常をきちんとしておくべきと高橋さんは考えました。夢を語る時も、キレイ事だけを連ねても、誰もついてきてくれないからです。努⼒と⾏動が伴っていなければいけない。絶対にブレたらダメなんだ、というのが彼⼥のスタンスなのです。

任せる

リーダーの最後の仕事とも言えるのが、「任せる」ことだと高橋さんは思い当たりました。「自分でやったほうが早い」と思っても、グループ全体を考えれば後輩たちに任せて、育てていくべきなのだと。このように意識し始めたのは、彼⼥がAKBを卒業する2〜3 年前(21・22 歳の頃︖)だったそうですから驚かされます。 

※参考⽂献:『リーダー論』(⾼橋みなみ著/講談社/2015 年 12 月 24 日刊)