【Story研修・特別版】
「非言語コミュニケーション」の話題から(2015年5月10日投稿)
1 カ⽉の実験でよいことがたくさん⾒えてくる 10 着のワードローブ(5)
アメリカに帰ったわたしは、とりあえず自分でも 10着のワードローブでやってみることにした。そうやって実験のつもりでしぶしぶ始めたことが、わたしにとって大きな転機になったのだ。試しにわたしが 1 カ月間きっちりと「10 着のワードローブ」で過ごしてみたときに、書き留めたことをいくつか紹介しよう。
お気に⼊りの服がきれいに並んで(ぎゅうぎゅう詰めではなく)ゆったりとハンガーにかかっているのを⾒ると気分がいいし、何を着るか迷わなくてすむので、とってもうれしい。選択肢が限られているから、1 分もあれば決められる。それに、クローゼットがすっきりと片づいていると、気分まで晴れやかになるみたい。
これはまったく予想外だった。「10 着のワードローブ」実験を開始して 1 週間もしたら、クローゼットに少ない服がゆったりと並んでいる様子があまりにも素敵なので、どうせまたすぐに捨ててしまうような服をたくさん買い込んで、クローゼットをパンパンにする気にはなれないのだ。
わたしはショッピングに出かけたら、何も買わずに帰ってくることはほとんどない。でも、いまは以前よりも高価で質の良い服を買いたいと思っているので、下⾒のためにウィンドウジョッピングに出かけて、何も買わなくても平気になってきた。せっかくなら良い物を選びたいので、あせらずにじっくり検討してから買いたい。
忙しい週はちょっと大変かもしれない。ある週のこと、わたしは忙しくて家事に手が回らず、洗濯物もため込んで着るものがなくなってしまった。仕方がなく、しまって置いた服をいくつか引っ張り出して急場をしのいだ。服をクリーニングに出すときも、タイミングをうまく調整して、いっぺんに全部出さないようにする必要がある。
「10 着のワードローブ」すべて⾼い服で揃える必要はない。お⾦をかけるべきなのは、コートや靴、サングラス、ハンドバッグ、カクテルドレス、ジーンズ、時計、ジュエリーなど。それに、こういうところにお⾦をかけておくと、⼿ごろな価格の服と合わせても全体的に⾼価な感じに⾒える。
※参考⽂献︓『フランス⼈は 10 着しか服を持たない』(ジェニファー・L・スコット著/大和書房)