【Story研修・特別版】
「非言語コミュニケーション研修」の話題から(2013 年 1 月 10 日投稿)
カリフォルニア大学に語り継がれる「みすぼらしい服装」についての教訓
昨年 11 ⽉以降、⼭本の「⽊の葉ブログ」のキーワード検索に「みすぼらしい
服装」が登場し始め、12 月に入 ると毎⽇検索されるようになり、狐に⿐をつままれたような気分でした。ところが、年末JRの電⾞の中で⾒た 書籍広告で、「アッ︕ これだ︕」と、鈍感な⼭本にも、どうやらその原因がわかったのです(多分ですが…)。
だいぶ昔の話(1860年代)になりますが、現在のカリフォルニア⼤学にみすぼらしい⾝なりの⽼⼈がやってきて、 学⻑との⾯会を申し出たのだそうです。貧相な⾝なりを不審に思った職員は、この⽼⼈の願いを受け⼊れずに追い返したのでした。でも、しばらくしてから、それが大きな誤りであったことに大学全体が気付かされます。
その⽼⼈の名はリーラン・スタンフォード。⼤陸横断鉄道の⼀つセントラルパシフィック鉄道の創⽴者で、カリフォルニア州知事も務めた人でした。彼は、夫人とも相談し、早逝した一人息子の名前を後世に残す目的で、自らが築いた巨万の富を大学に寄付するつもりでカリフォルニア大学にやってきたのでした。
しかし、カリフォルニア大学で門前払いを食ったくらいで初志は変わりません。その後、ハーバード⼤学の学⻑の助⼒も得て、名門スタンフォード⼤学(Yahoo︕や Google の創始者のような起業家を多数輩出)が1891 年に誕⽣しました。カリフォルニア⼤学のOBによると、この逸話は戒めとして今⽇も同⼤学で語り継がれているそうです。
D・J・シュナイダーらの研究によると、初めて会う⼈を⾒るとき「注意」「連写判断」「帰属」「特性推論」「印象形成」「将来の⾏動予測」の6段階を踏むのだそうです。 カリフォルニア大学の職員に限らず、私たちも同じ過ちをしていることがあると思います。そうならないためには、せめて6段階を経てから判断するようにしたいですね。
注意:存在に注意を向ける段階→連写判断:注意段階でカテゴリー化された外⾒や⾏動から判断→帰属:その⼈の⾏動を推測する段階→特性推論:ある特性から、その⼈の特性を推測→印象形成:認知されたいくつかの性格特性から判断→将来⾏動の予測:得られた情報を統合し、その⼈がある特定の状況のとき、どう⾏動するか予測。
※1︓『⼩さな会社の⼤きな仕事』(坂本光司著/同友館)
※2︓『あなたは⼈にどう⾒られているか』(松本聡子著/文藝春秋社)