【Story研修・特別版】
「マーケティング・その他」の話題から(2013年12月14日投稿)
「私はわたしと旅に出る。」 コピー表現の変化を実例から読み解く③
ヒットする広告コピーは、時代の流れを巧みに読み込んでいるはずです。ところが久し振りに見ても一向に色 あせていないのは、そこに普遍性の高い価値観が織り込まれているからなのでしょう。ポエムを、ユーモアを、 ときには哲学を感じさせる広告コピーが、私たちの消費生活を豊かに彩ってくれているような気がいたします。
「あいててよかった。」(1976 年、セブン‐イレブン)
「安いものはほしくない。安くなったものがほしい。」(1994 年、現そごう・⻄武)
「服が好きな日は、ゆっくり帰る。」
「服が変な日は、まっすぐ帰る。」(1997 年、福岡のファッションビルの広告)
「キスというものを、ここしばらく、していない。」
「私は、男の人を、ふったことがないのです。」
ちょっと意味深なコピーですね。これらは、いずれも尼崎市総合文化センター、結婚式場のキャッチコピ― (1996 年)だそうですから、広告主がわかると納得です。
「隣のクルマが小さく見えます」(1970 年、日産自動車、排気量を1000 から1200 に増やして1000 のままのトヨタのカローラを意識したもの)
「くうねるあそぶ。」(1988 年に日産セフィーロの広告で使われたコピー。CMでは、歌手の井上陽水さんの 「みなさん、お元気ですか〜」という台詞も印象的でした)
「ファイト一発。」(1977 年、大正製薬)
「いまの君はピカピカに光って。」(1980 年、ミノルタ:現コニカミノルタ)
「私はワタシと旅にでる。」(1991 年、スタジオジブリ映画『おもいでぼろぼろ』)
「No.2だから、ヤンチャできる。」(2001 年、KDDI)
「入学式の写真を見て名前を思い出せたのは、たった 7 人だった。無理かもしれないけれど、みんな、いい場所 にいるといいね。」(1983 年、日本リクルートセンター)
「昼間だと話さないことも夜勤のときには話してしまう。」
「みんな良い奴に見えてくる。」(1997 年、見山製紙工場という会社の求人広告)
※︓『「売り⾔葉」と「買い⾔葉」』(岡本欣也著/NHK出版)