【Story研修・特別版】
「リーダーシップ研修」の話題から(2016年9月4日投稿)
ひとりひとりの理解者になる 高橋みなみさんのコミュニケーション術(2)
リーダーの仕事の中でも、大部分を占めているのがチームのメンバーひとりひとりとのコミュニケーションだと高橋さんは書いています。個人との信頼関係の積み重ねがいいチームを作り上げることにつながり、そして、これはメンバー同士の関係性にも応用でき、チーム全体のパフォーマンスを高めることにもつながっていくのだと。
チームのメンバーにとって、いいリーダーとは、どういう人か。それは、「自分のために」何かしてくれる人。「チームのために」頑張ってくれる姿ももちろん立派ですが、それだと他人ごとになってしまう。「自分のために」頑張ってくれているんだ、「自分を見てくれているんだ」という信頼感がないと、いいリーダーとは思われない。
でも、ダメなところを見つけても、その人といい関係性を築いていないと、「ここはこうしたほうが…」とは伝えられない。それが前後すれば、「なんでこの人に言われなきゃいけないの」と反発されてしまう。「この人が言うなら、正しいんだろうな」と聞いてもらえる関係性を日ごろから作っておかなければ、伝わるものも伝わらない。
この人を頼ればきっと助けてくれると感じられる関係性がひとつでもあれば、頑張る原動力になるでしょう。そうでないと、リーダー側から頼み事をしなければならない時に、受け入れてもらえません。いい関係を築くためには、時間も気力も必要ですが、ひとりひとりとの関係性が良くないと、みんなとの関係性もよいものにはなりません。
ひとりひとりとの関係性を築くためには、肩書(「キャプテン」「総監督」など)が邪魔になることがあります。AKB48に入ったばかりのメンバーでしたら、そんな肩書の人に声をかける勇気はないかもしれません。こうした配慮から高橋さんは、楽屋ではなるべくヘラヘラして、後輩たちが言葉を発しやすい環境を意図的に作っているのだと。
雰囲気づくりに役立つのが関西弁(本人曰く エセ関西弁)だと高橋さんはいいます。使い始めたきっかけは単純で、「関西弁てかわいい」と思ってマネし始めたら、癖になったとか。発音のうさんくささも合わさって、「この人は、イジってもいい人なんだ」と思ってもらえる効果があるのだとか。ただし、叱るときは絶対に標準語だそうです。
※参考⽂献:『リーダー論』(⾼橋みなみ著/講談社/2015 年 12 月 24 日刊)